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味が激変する居酒屋のハイボール作り方|黄金比と7つのコツ

味が激変する居酒屋のハイボール作り方|黄金比と7つのコツ

イメージ画像:Spirits Navi | 家飲み研究員の蒸留酒ガイド 作成

「ああ、うまい…!」

居酒屋のカウンターで、キンキンに冷えたグラスから立ち上る香りとともに最初の一口を流し込んだ時、思わずそんな声が漏れたことはありませんか。でも、いざ自宅で最高のハイボール作り方に挑戦してみると、「何かが違う…」と首をかしげてしまう。

「うまいハイボールの作り方は?」と調べてはみるものの、その答えは一つではありませんよね。ハイボールの作り方の順番はこれで本当に正しいのか、ウイスキーと炭酸水の割合は何mlがベストバランスなのだろうか。そもそも、あの絶妙な居酒屋のハイボールの比率は、どうなっているのでしょう。

もしかしたら、選んでいるハイボールウイスキーが違うのかもしれない。あるいは、プロが使う特別なハイボールを作る道具や、あると便利なグッズがあるのかも。サントリーが提唱する「角ハイボールの作り方」を居酒屋は完璧に実践しているのでしょうか。ただ搾るだけのハイボールの作り方では、レモンの真価を引き出せていないのかもしれません。

ご安心ください。この記事では、そんなあなたの「なぜ?」に、長年バーカウンターに立ち続けたプロが一つひとつ丁寧にお答えします。ウイスキー30mlと炭酸水から生まれる黄金比の秘密、初心者でも間違いのないおすすめウイスキーのレシピ、いつもの味を激変させるハイボールのアレンジ術まで。これを読めば、あなたも自宅で「お店の味」を超える究極の一杯を作れるようになります。

さあ、最高のハイボールの世界へ、一緒に踏み出しましょう。

この記事でわかること

  • 居酒屋のハイボールが格別に美味しい理由とその再現方法
  • ウイスキーと炭酸水の黄金比率と、炭酸を逃さない作り方の順番
  • いつもの味を激変させる、おすすめウイスキーや多彩なアレンジレシピ
  • ハイボールをさらに美味しくする道具や、居酒屋での通な頼み方

自宅で完璧再現!プロが明かす居酒屋のハイボール作り方【基本編】

 

  • 究極の1杯へ!うまいハイボールの作り方、その正しい順番とは?
  • 黄金比率はこれだ!居酒屋のハイボール、ウイスキーと炭酸水の最適な割合(ml)
  • サントリー直伝!居酒屋の定番「角ハイボール」の作り方とウイスキー選び
  • ハイボール作りを格上げする道具と便利グッズ|プロ愛用の逸品たち
  • 名脇役レモンの使い方!ハイボールの作り方で差がつくワンポイント
  • 初心者でも安心!おすすめウイスキーで作る絶品ハイボールレシピ

 

究極の1杯へ!うまいハイボールの作り方、その正しい順番とは?

究極の1杯へ!うまいハイボールの作り方、その正しい順番とは?

イメージ画像:Spirits Navi | 家飲み研究員の蒸留酒ガイド 作成

多くの人が見落としがちなのですが、うまいハイボールを作る上で最も重要なのは「順番」です。素材の良さを最大限に引き出すための、いわば儀式のようなもの。この手順を守るだけで、味わいは劇的に向上します。

結論から申し上げましょう。究極のハイボール作りの秘訣は「徹底的に冷やすこと」と「炭酸を逃さないこと」の二つに尽きます。そのための正しい順番は以下の通りです。

  1. グラスを氷で満たし、冷やすまずはタンブラーグラスに氷をぎっしりと詰めます。そして、マドラーで軽くかき混ぜ、グラス自体をキンキンに冷やしてください。氷が少し溶けて水が溜まりますが、この水は必ず捨てましょう。このひと手間が、後から加える氷を溶けにくくし、ハイボールが薄まるのを防ぐ最初の砦となります。
  2. ウイスキーを注ぎ、冷やす次に、冷えたグラスにウイスキーを注ぎます。そして、ここでもう一度マドラーで軽く混ぜ、ウイスキー自体をしっかりと冷やします。液体は温度が高いものから低いものへと流れる性質があります。ここでウイスキーの温度を氷に近づけておくことで、後の炭酸水との温度差をなくし、炭酸が気化してしまうのを防ぐのです。
  3. 炭酸水を静かに注ぐここが最も神経を使うべきポイントです。炭酸水を注ぐ際は、氷に直接当てず、グラスの縁に沿わせるように、できるだけ静かに注ぎ入れてください。滝のように注いでは、せっかくの炭酸が衝撃で抜けてしまいます。理想は、グラスを少し傾けて注ぐこと。これにより、炭酸の刺激を最大限に保つことができます。
  4. 混ぜるのは、たった一度だけ最後にマドラーをグラスの底まで静かに沈め、氷を避けるように縦方向に「すっ」と一度だけ持ち上げるように混ぜます。ぐるぐると何回もかき混ぜるのは厳禁。比重の違いからウイスキーは下に、炭酸水は上に溜まりがちですが、この一度の攪拌で十分に対流が起こり、混ざり合います。混ぜすぎは、美味しさを損なう最大の敵と心得てください。

この順番は、一つ一つの工程に科学的な根拠があります。この流れを身体で覚えれば、あなたも「うまいハイボール」の作り手になれるでしょう。

 

黄金比率はこれだ!居酒屋のハイボール、ウイスキーと炭酸水の最適な割合(ml)

 

「ハイボールの割合って、結局どれくらいが正解なの?」これは本当によく受ける質問です。多くの居酒屋やバーが採用し、万人受けする間違いのない「黄金比率」が存在します。

それは、ウイスキー1に対して炭酸水が3〜4です。

具体的にml(ミリリットル)で示すと、計量しやすいでしょう。シングルサイズ(30ml)のウイスキーを使うなら、炭酸水は90mlから120mlが目安となります。

  • ウイスキー 30ml:炭酸水 90ml (1:3) → ウイスキーの味わいをしっかりと感じられる、やや濃厚な味わいです。ウイスキー本来の個性やコクを楽しみたい方におすすめの比率といえます。
  • ウイスキー 30ml:炭酸水 120ml (1:4) → 爽快感と喉越しが際立つ、すっきりとした味わい。食事と合わせやすく、ゴクゴクと飲みたい時に最適なバランスでしょう。

もちろん、これはあくまで基本の比率。あなたの好みや、その日に合わせるウイスキーの個性によって最適な割合は変化します。例えば、スモーキーで個性的なアイラモルトなら1:3でじっくりと、華やかでライトなスペイサイドモルトなら1:4.5くらいまで薄めても香りが楽しめます。

ぜひ、メジャーカップを片手に、ウイスキー30mlに対して炭酸水を90ml、100ml、110ml、120mlと少しずつ変えて試してみてください。その日の気分や体調にぴったり合う「自分だけの黄金比」を見つけ出すことこそ、ハイボール作りの醍醐味の一つなのです。

 

サントリー直伝!居酒屋の定番「角ハイボール」の作り方とウイスキー選び

 

日本の居酒屋文化において、「ハイボール」という飲み物を不動の地位に押し上げた立役者、それがサントリーの「角瓶」で作る「角ハイボール」です。あの亀甲模様のボトルを見るだけで、心が躍る方も多いのではないでしょうか。

サントリーが推奨する美味しい角ハイボールの作り方の秘訣も、やはり「冷却」と「炭酸」にあります。彼らが提唱する方法は、まさにプロの技。それを家庭で再現するためのポイントを解説します。

角ハイボールを最高に美味しく飲むために、まず角瓶自体を冷凍庫で冷やしておくことを強くおすすめします。アルコール度数が高いため、家庭用の冷凍庫ではカチカチに凍ることはありません。トロリとした状態になった角瓶から注がれるウイスキーは、氷を溶かしにくく、味わいの輪郭をくっきりとさせてくれます。

そして、角ハイボールの味わいの核となるのが、山崎と白州蒸溜所のバーボン樽原酒。このブレンドが生み出す、甘やかな香りと厚みのあるまろやかなコク、そしてドライな後口が、炭酸と合わさることで最高の相性を見せるのです。だからこそ、角瓶はハイボールのベースとしてこれほどまでに愛され続けているわけですね。

もちろん、ハイボールにおすすめのウイスキーは角瓶だけではありません。

  • ジムビーム(アメリカ): バーボン由来の華やかな香りとコーンの甘みが特徴。角瓶よりも甘く、コーラやジンジャーエールとの相性も抜群です。
  • デュワーズ ホワイト・ラベル(スコットランド): スムースでクリーンな味わい。ほのかな甘みとスモーキーさのバランスが絶妙で、食中酒として非常に優秀です。
  • メーカーズマーク(アメリカ): 冬小麦由来のふっくらとした甘みと、オレンジのような香りが魅力。少し贅沢なハイボールを楽しみたい日におすすめできます。

これらのウイスキーをいくつか揃えておき、気分によって変えてみるのも一興。それぞれの個性の違いが、ハイボールというシンプルなカクテルの奥深さを教えてくれるはずです。

 

ハイボール作りを格上げする道具と便利グッズ|プロ愛用の逸品たち

ハイボール作りを格上げする道具と便利グッズ|プロ愛用の逸品たち

イメージ画像:Spirits Navi | 家飲み研究員の蒸留酒ガイド 作成

「弘法筆を選ばず」とは言いますが、プロの現場では最高のパフォーマンスを発揮するために道具にこだわります。ハイボール作りも同じ。必須ではありませんが、揃えることで格段にレベルが上がり、何より作る時間そのものが楽しくなる道具や便利グッズが存在します。

1. うすはりグラス

まずこだわってほしいのがグラスです。特におすすめしたいのが、松徳硝子に代表される「うすはり」と呼ばれる薄いグラス。飲み口が薄いことで、ハイボールが唇に触れた時の感触が非常に繊細になり、味わいをストレートに感じさせてくれます。また、ガラスが薄い分、グラス自体の温度がすぐに下がり、中の飲み物の冷たさを長く保ってくれる効果も期待できるのです。

2. 柄の長いシンプルなマドラー

100円ショップのものでも十分ですが、もし選ぶなら柄が長く、先端に余計な飾りがついていないシンプルな金属製のマドラーが良いでしょう。前述の通り、ハイボールは混ぜすぎ厳禁。底から氷を避けてスッと持ち上げる動作がしやすいものが理想的です。

3. メジャーカップ

美味しいハイボール作りの心臓部である「比率」を正確に測るためには、メジャーカップが欠かせません。30mlと45mlが計れるタイプが一つあれば、ほとんどのカクテルに対応できます。目分量で作るのも慣れてくれば良いですが、最高のバランスを追求するなら、ぜひ手元に置いていただきたいアイテムです。

4. ソーダストリーム(炭酸水メーカー)

これは少し上級者向けの便利グッズですが、自宅で出来立ての強炭酸水が作れるソーダストリームは、ハイボール好きにとって最高の投資かもしれません。いつでもキンキンに冷えた、弾けるような強炭酸でハイボールを作れる喜びは格別。市販のペットボトルの炭酸水よりもガス圧が強く、まさに「お店の味」に近づける秘密兵器と言えるでしょう。

これらの道具は、あなたのハイボール作りを「作業」から「趣味」へと昇華させてくれる、頼もしい相棒となるはずです。

 

名脇役レモンの使い方!ハイボールの作り方で差がつくワンポイント

 

角ハイボールに添えられたカットレモン。この小さな名脇役の存在を、決して侮ってはいけません。レモンの役割と効果的な使い方を知ることで、あなたのハイボールはさらに一段上のステージへと駆け上がります。

レモンの役割は、主に二つあります。一つは、そのクエン酸による「爽快感の付与」。ウイスキーのコクのある味わいに、柑橘の酸味が加わることで、後口が驚くほどスッキリします。もう一つは、皮に含まれるリモネンという香り成分による「香りの演出」です。

一般的なのは、くし形にカットしたレモンを軽く搾り入れる方法。これで爽やかな酸味を加えることができます。しかし、プロがしばしば使うテクニックは、果汁ではなく「香り」だけを拝借する「レモンピール」です。

やり方は簡単。レモンの皮を薄く削ぎ取り、ハイボールの液面に向け、皮を軽くひねってオイルを飛ばすのです。すると、レモンの爽やかな香りだけが立ち上り、ハイボールの味そのものを変えることなく、飲む瞬間に華やかなアロマを感じさせることができます。皮はそのままグラスに浮かべても良いでしょう。

このテクニックを使う際は、ぜひ国産の、できれば防カビ剤不使用のレモンを選んでください。皮まで安心して使え、香りも格段に豊かです。たかがレモン、されどレモン。この小さなこだわりにこそ、神は宿るのです。

 

初心者でも安心!おすすめウイスキーで作る絶品ハイボールレシピ

 

「ウイスキーって種類が多すぎて、何から試せばいいか分からない」。そんなハイボール初心者の方のために、比較的手に入りやすく、価格も手頃で、かつハイボールにした時に個性が輝くおすすめのウイスキーをいくつかご紹介します。

まずは、前述の通り日本のスタンダード「角瓶」と、バーボンの代表格「ジムビーム」から始めてみるのが王道です。これらは多くのスーパーやコンビニで手に入ります。

その上で、いくつか試していただきたい銘柄と、それに合わせた簡単なレシピをご提案しましょう。

  • デュワーズ ホワイト・ラベルで作る「ハニーハイボール」:スムースでバランスの取れたデュワーズは、少し甘みを加えると華やかさが増します。ハイボールを作った後、はちみつをティースプーン半分ほど垂らし、よく混ぜるだけ。ローズマリーを一本添えれば、見た目も香りも本格的なハーブカクテルに早変わりします。
  • ブラックニッカ クリアで作る「和風ハイボール」:クセがなくクリアな味わいのブラックニッカは、アレンジのベースとして非常に優秀です。ハイボールに大葉を一枚浮かべ、スライスしたすだちを軽く搾ってみてください。驚くほど爽やかで、和食との相性も抜群な一杯が完成します。
  • ティーチャーズ ハイランドクリームで作る「スモーキーハイボール」:少しスモーキーなタイプに挑戦したいなら、価格も手頃なティーチャーズがおすすめです。このウイスキーで作ったハイボールには、ぜひ粗挽きのブラックペッパーを軽く振ってみてください。スモーキーな香りとペッパーのスパイシーさが絶妙にマッチし、やみつきになる大人の味わいが楽しめます。

難しく考える必要はありません。基本の作り方を守りさえすれば、どんなウイスキーでも美味しいハイボールは作れます。まずは色々な銘柄を試して、自分の「好き」を見つける旅を楽しんでみてください。


 

もっと深く楽しむ!ハイボール作り方【居酒屋の裏側と応用編】

 

基本の作り方をマスターすれば、あなたのハイボールはすでにお店のレベルに達しているはずです。しかし、ハイボールの世界はもっと奥が深いもの。ここからは、さらに一歩踏み込んで、日々のハイボールライフを豊かにする応用編と、バーテンダーだからこそ知る居酒屋の裏側をご紹介しましょう。

  • 気分はバーテンダー!自宅で試したいハイボールのアレンジ術
  • ハイボール1杯の量は?ウイスキー30mlと炭酸水で作る適切な量
  • 居酒屋のハイボール、平均値段はいくら?(2023年版)プロがこっそり教える原価の話
  • 居酒屋で通な頼み方!ウイスキーの種類とオーダー方法
  • 手軽さも魅力!初心者におすすめの缶ハイボールと選び方
  • お酒1合はハイボール何杯分?知っておきたい量の換算
  • 総括:最高のハイボール作り方|居酒屋の味を超える15の秘訣

気分はバーテンダー!自宅で試したいハイボールのアレンジ術

気分はバーテンダー!自宅で試したいハイボールのアレンジ術

イメージ画像:Spirits Navi | 家飲み研究員の蒸留酒ガイド 作成

いつものハイボールに少し飽きてきたら、それは新しい扉を開くチャンスです。割り材を変えたり、意外なものを加えたりするだけで、ハイボールは無限の表情を見せてくれます。気分はまるでバーテンダー。クリエイティブなアレンジに挑戦してみましょう。

1. 割り材を変えてみる

炭酸水を他の炭酸飲料に変えるだけで、全く新しいカクテルが生まれます。

  • ジンジャーエール(甘口・辛口): ウイスキーとの相性は鉄板。「シャンディガフ」ならぬ「ウィスキーバック」や「マミー・テイラー」と呼ばれるクラシックカクテルです。
  • コーラ: ご存知「コークハイ」。バーボンウイスキーで作ると、よりアメリカンな雰囲気が増します。
  • トニックウォーター: ジントニックでお馴染みのトニックウォーターは、ウイスキーとも好相性。独特の甘みと苦味が、ウイスキーの風味を複雑にしてくれます。

2. フルーツやハーブで香りをプラス

生のフルーツやハーブを使えば、フレッシュで華やかな一杯に。

  • 冷凍ベリー: 冷凍のミックスベリーを氷代わりにいくつか入れるだけ。見た目も可愛らしく、徐々にベリーの風味が溶け出して味の変化を楽しめます。
  • ミント: モヒートのように、グラスでミントを軽く潰してからハイボールを作ると、非常に爽快な一杯に。バーボンとの相性が特に良いです。
  • シナモンスティック: マドラー代わりにシナモンスティックを使えば、甘くスパイシーな香りが立ち上る冬向きのホットなハイボールが楽しめます。

3. シロップやリキュールを少量加える

自家製のシロップや少量のリキュールは、プロの隠し味です。

  • 自家製ジンジャーシロップ: 生姜と砂糖、スパイスで作ったシロップを少量加えるだけで、市販のジンジャーエールとは一線を画す、本格的な味わいになります。
  • カシスリキュール: ハイボールに数滴垂らすと、美しい色合いとフルーティーな深みが加わります。

これらはほんの一例。あなたのアイデア次第で、レシピは無限に広がります。冷蔵庫にあるもので、色々と試してみてください。

 

ハイボール1杯の量は?ウイスキー30mlと炭酸水で作る適切な量

 

ハイボールの「作り方量」について、もう少し詳しく考えてみましょう。ウイスキー30ml(シングル1杯分)を基準にした場合、適切なハイボール1杯分の総量はどれくらいになるのでしょうか。

一般的な居酒屋で使われるタンブラーの容量は、大体350mlから420ml程度です。このグラスに氷をぎっしり詰め、ウイスキーを30ml、そして黄金比である1:4の炭酸水120mlを注ぐと、総量はおよそ150ml(ウイスキー+炭酸水)となります。これが氷で満たされたグラスに注がれると、ちょうど8〜9分目の、見た目にも美しい量に収まるのです。

ここで気になるのがアルコールの強さ。アルコール度数40%のウイスキー30mlに含まれる純アルコール量は約9.6gです。これを炭酸水120mlで割ったハイボール(総液体量150ml)のアルコール度数は、計算上およそ6.4%となります。

  • ビール(アルコール度数5%)よりはやや強く
  • ワイン(アルコール度数12%)よりはかなり低い

この「ほどよいアルコール度数」こそが、ハイボールが食事と共に楽しまれ、多くの人に愛される理由の一つです。非常に飲みやすいため、ついつい杯を重ねてしまいがちですが、自分のペースを守って楽しむことが大切ですね。

 

居酒屋のハイボール、平均値段はいくら?(2023年版)プロがこっそり教える原価の話

 

居酒屋でハイボールを頼むとき、その値段について考えたことはありますか?2023年現在、一般的な居酒屋でのハイボールの平均的な値段は、一杯400円から600円程度がボリュームゾーンとなっています。

では、その一杯の「原価」は一体いくらなのでしょうか。こっそり計算してみましょう。

例えば、サントリー角瓶(700ml)の仕入れ値が約1,300円だとします。ハイボール1杯にウイスキーを30ml使うと、ウイスキー代は約56円。業務用の炭酸水や氷、レモン代を合わせても、原価はせいぜい70円~90円程度に収まることが多いのです。

値段が500円なら、原価率は15%前後。これは飲食店経営において非常に優秀な数字です。だからこそ、多くのお店が「最初の1杯100円」のようなキャンペーンを打ち出せるわけですね。ハイボールは、お店にとってお客様を呼び込み、利益を確保するための重要な戦略商品なのです。

これを考えると、自宅でハイボールを作るコストパフォーマンスの高さは歴然としています。一杯100円以下で、自分好みの本格的なハイボールが楽しめる。これぞ、我々が自宅でハイボールを作るべき最大の理由の一つかもしれません。

 

居酒屋で通な頼み方!ウイスキーの種類とオーダー方法

居酒屋で通な頼み方!ウイスキーの種類とオーダー方法

イメージ画像:Spirits Navi | 家飲み研究員の蒸留酒ガイド 作成

居酒屋やバーのカウンターで、一目置かれるような「通」な頼み方ができたら、お酒の席はもっと楽しくなるはずです。ハイボールの頼み方一つで、あなたのお酒への理解度を示すことができます。

最も簡単なステップアップは、単に「ハイボール」と頼むのではなく、「〇〇のハイボールをお願いします」とウイスキーの銘柄を指定することです。「角ハイボール」や「ジムビームハイボール」と頼むだけで、お店の人は「このお客さんは分かっているな」と感じるでしょう。

さらに上級者を目指すなら、好みの味わいを伝えてみるのがおすすめです。

  • 「デュワーズのハイボール、少し濃いめで」: ウイスキーの味わいをより強く感じたい時のオーダー。
  • 「ラフロイグのハイボール、レモンは無しで」: アイラモルトのような個性的なウイスキーの香りを純粋に楽しみたい時に。
  • 「今日の気分に合う、何かおすすめのウイスキーでハイボール作ってくれる?」: これはバーテンダーとの最高のコミュニケーションです。お店のバックバーに並ぶボトルの中から、あなたのために特別な一杯を提案してくれるでしょう。

メニューに載っていなくても、お店には様々なウイスキーが置いてあるものです。臆することなく、自分の好みや興味を伝えてみてください。その一杯が、新たなウイスキーとの出会いのきっかけになるかもしれません。

 

手軽さも魅力!初心者におすすめの缶ハイボールと選び方

 

ここまで自宅での作り方を熱心に語ってきましたが、時には手軽に楽しみたい日もあります。そんな時、缶ハイボールは非常に心強い味方です。最近の缶ハイボールは品質が飛躍的に向上しており、初心者の方がハイボールの味を知るための入り口としても最適です。

缶ハイボールを選ぶ際のポイントは3つあります。

  1. ベースのウイスキー: 「角ハイボール缶」「ジムビームハイボール缶」など、使われているウイスキーの名前が明記されているものを選びましょう。自分の好みのウイスキーを見つけるヒントになります。
  2. アルコール度数: 7%が主流ですが、飲みごたえのある9%のストロング系や、逆に軽やかな5%のものもあります。気分やシーンに合わせて選びましょう。
  3. 添加物の有無: できるだけ「ウイスキー、炭酸」とシンプルな原材料のものを選ぶのがおすすめです。甘味料や香料が添加されているものは、少しジュースに近い味わいになります。

そして、缶ハイボールを最大限に楽しむための、とっておきの裏技があります。それは「缶のまま飲まない」こと。ぜひ、氷をぎっしり入れたグラスに注ぎ、カットレモンを添えてみてください。たったこれだけで、缶の金属臭さが消え、香りも引き立ち、驚くほど本格的な味わいに変化します。ぜひお試しを。

 

お酒1合はハイボール何杯分?知っておきたい量の換算

 

最後に、少し変わった角度からの疑問にお答えしましょう。「日本酒1合って、ハイボールだと何杯分くらいなの?」というものです。異なる種類のお酒を飲む際に、どれくらいの量を飲んだか把握しておくことは、健康のためにも重要です。

まず、量の換算です。日本酒の「1合」は約180mlです。一方、ハイボールで使うウイスキーは1杯あたり30ml(シングル)が基本。したがって、ウイスキーの量だけで言えば、日本酒1合(180ml)は、ウイスキー6杯分に相当します。

しかし、注意すべきはアルコールの摂取量です。純アルコール量で比較してみましょう。

  • 日本酒1合(180ml / アルコール度数15%): 180ml × 0.15 = 27ml (約21.6g)
  • ハイボール1杯(ウイスキー30ml / アルコール度数40%): 30ml × 0.40 = 12ml (約9.6g)

計算すると、ハイボール約2.25杯で、日本酒1合とほぼ同じ純アルコール量を摂取することになります。

ハイボールは飲み口が軽やかでスイスイ飲めてしまいますが、実は2杯強で日本酒1合分と同じだけのアルコールを摂っている、と覚えておくと良いでしょう。自分の適量を知り、スマートにお酒と付き合う。それこそが、真の酒飲みの嗜みと言えるでしょう。

 

結びにかえて

 

長い時間、私のハイボール語りにお付き合いいただき、ありがとうございました。

居酒屋のあの格別な一杯の正体は、高価な機材や特別な材料だけではなく、「冷やす」「守る」「混ぜない」という、愛情のこもった基本の積み重ねにあることが、お分かりいただけたかと思います。

この記事でご紹介した作り方や知識は、あなたのハイボールを劇的に変える力を持っています。しかし、最も大切なスパイスは、あなた自身の「楽しむ心」です。

基本の角ハイボールを極めるもよし。様々なウイスキーで個性の違いを旅するもよし。大胆なアレンジで、自分だけのオリジナルハイボールを創作するもよし。

今宵、あなたが作るその一杯が、今日という一日を締めくくる最高の一杯になることを、心から願っております。

さあ、グラスと氷の準備はよろしいですか?

 

総括:最高のハイボール作り方|居酒屋の味を超える15の秘訣

 

ポイント

  • うまいハイボールの基本は「徹底した冷却」と「炭酸の保持」である
  • グラスは氷で満たして先に冷やし、溶けた水は必ず捨てるべきだ
  • 炭酸水は氷に当てず、グラスの縁から静かに注ぎ入れるのが鉄則である
  • かき混ぜるのは厳禁、マドラーは縦に一度だけ静かに動かすこと
  • ウイスキーと炭酸水の黄金比は「1:3」から「1:4」が基本である
  • 具体的にはウイスキー30mlに対し炭酸水90ml~120mlが目安となる
  • 角瓶は冷凍庫でトロリとさせてから使うと味わいが引き締まる
  • 飲み口が薄いグラスはハイボールの繊細な口当たりを向上させる
  • 正確な味の再現にはメジャーカップの使用が推奨される
  • レモンは果汁だけでなく皮の香りを移す「ピール」も有効な技だ
  • ジンジャーエールやコーラなど割り材を変えるだけでアレンジは無限大だ
  • フルーツやハーブを加えることで、より創造的な一杯が愉しめる
  • 缶ハイボールも氷とレモンを加えたグラスに注ぐだけで格段に美味くなる
  • 居酒屋で銘柄や濃さを指定するのは粋なオーダー方法である
  • ハイボール約2.25杯が日本酒1合とほぼ同じアルコール量だと知っておくこと

 

注)家飲み研究員のヒロがプロの気分になって書いています。

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