
イメージ画像:Spirits Navi | 家飲み研究員の蒸留酒ガイド 作成
今宵、グラスの向こうに立ちのぼる香りを確かめながら、こう思ってはいませんか?「いつものジャパニーズウイスキーも良いけれど、もっとこう、心揺さぶるようなピートが強い一本に出会いたい」と。
繊細で世界的な人気を誇るジャパニーズウイスキー。その人気の理由はよく知られていますが、あなたの探求心は、そのさらに奥深く、力強いスモーキーな世界へと向かっているのかもしれませんね。
そもそも、ウイスキーの「ピートが強い」とはどういうことなのでしょう。なぜウイスキーはあの独特なピート臭がするのか、その理由から知りたくなりませんか?ピートが強いウイスキーは一体どれなのか、もしピートの強さのランキングや、ジャパニーズウイスキーをピートが強い順に並べた一覧があれば…なんて想像が膨らみます。
「どうせならウイスキーピート最強と呼ばれる一本を味わってみたい」「でも、ピート香が強くて安いウイスキーがあれば最高なのに…」その気持ち、痛いほどよくわかります。
ご安心ください。この記事は、そんなあなたのための特別な案内状です。日本で一番人気のウイスキーから、今まさに注目すべきスモーキーな銘柄まで、その魅力と物語を紐解いていきます。入手困難なランキングの裏側や、おすすめの安い一本、そしてお気に入りを酒店や通販で見つける方法まで。あなたのウイスキー探しの旅に、私が最後までお供します。さあ、一緒にその煙の先の扉を開けてみましょう。
この記事でわかること
- ピートが強いおすすめのジャパニーズウイスキー銘柄
- ピートの強さのレベルや予算に応じた選び方
- ウイスキーが持つスモーキーな香りの正体とその理由
- 入手困難な人気銘柄を効率的に探す方法
ピートが強いジャパニーズウイスキーの探求:その奥深いスモーキーな世界へ
- ウイスキーの魂「ピート」とは何か?その香りが生まれる理由と歴史的背景
- 「ピートが強い」とはどういうこと?ウイスキーのピートレベル(フェノール値)を理解する
- なぜジャパニーズウイスキーは人気なのか?世界を魅了する繊細さと人気の理由
- 日本で一番人気のウイスキー銘柄は?入手困難な一本から定番まで
- ウイスキーにおけるピート最強の定義とは?スモーキーさの頂点を探る
- ピートが強いウイスキーはどれ?専門家が選ぶ代表的な銘柄
ウイスキーの魂「ピート」とは何か?その香りが生まれる理由と歴史的背景

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ウイスキーを語る上で欠かせない「ピート」。この言葉を聞くと、スモーキーな香りを思い浮かべる方が多いことでしょう。では、その正体とは一体何なのでしょうか。ピートとは、日本語で「泥炭(でいたん)」と呼ばれるものです。湿地や沼地で、ヒースや苔、シダなどの植物が枯れて堆積し、数千年から数万年という長い時間をかけて炭化した、いわば「石炭になりかけの若い石炭」のような存在です。
では、なぜこのピートがウイスキーの香りに関わってくるのでしょうか。答えは、ウイスキーの主原料である大麦麦芽を乾燥させる「製麦(モルティング)」という工程にあります。かつて、ウイスキー造りが盛んなスコットランドでは、乾燥のための燃料として、豊富に採れるこのピートが使われていました。ピートを焚くと、独特の煙が発生します。その煙で湿った麦芽をいぶすことで、煙に含まれるフェノール類という香り成分が麦芽に移り、あの唯一無二のスモーキーフレーバー、通称「ピート香」が生まれるのです。これが、ウイスキーがピート臭がする理由です。
この製法は、特に燃料が乏しい島々、例えばアイラ島などで発展しました。荒涼とした大地で手に入るピートは、生活に欠かせない燃料であると同時に、ウイスキーに強烈な個性を与える魂の源となったのです。日本のウイスキーの父、竹鶴政孝がスコットランドでウイスキー造りを学んだ際、このピートの重要性を深く理解し、日本でのウイスキー造りにその技術を持ち込みました。北海道の余市は、スコットランドに似た冷涼で湿潤な気候と、良質な水、そして石炭が豊富に採れることから選ばれた土地。ここから、日本のピーテッドウイスキーの歴史が始まったのです。
「ピートが強い」とはどういうこと?ウイスキーのピートレベル(フェノール値)を理解する
「ピートが強い」という表現は、ウイスキー好きの間で頻繁に使われますが、具体的にはどのような状態を指すのでしょうか。これは単に「煙たい」という一言では片付けられない、非常に複雑で多層的な香味の世界です。
多くの人が最初に感じるのは、燻製のようなスモーキーさでしょう。しかし、その奥には、消毒液や正露丸に例えられる薬品のような香り(ヨード香)、湿った土や落ち葉を思わせるアーシーな香り、そして海辺の蒸溜所ならではの潮風や海藻のような香り(ブラッシーさ)などが複雑に絡み合っています。これらの香りのバランスや強さによって、ウイスキーの個性は大きく変わります。「ピートが強い」とは、これらの香りの要素がくっきりと、そして力強く感じられる状態を指すのです。
このピートの強さを客観的に示す指標として「フェノール値」があります。単位はppm(parts per million)で表され、乾燥後の麦芽に含まれるフェノール類の総量を示します。一般的に、1〜5ppm程度をライトピート、15〜25ppmをミディアムピート、そして30ppm以上をヘビーピートと分類することが多いです。例えば、アイラ島のウイスキーは40〜50ppmのものが多く、中には200ppmを超えるような驚異的なボトルも存在します。
ただし、この数値はあくまで麦芽時点でのものであり、最終的な製品のピートの強さと完全にイコールではありません。蒸溜の仕方や樽での熟成期間、加水の有無によって、香りの感じ方は大きく変化します。数値は一つの目安としつつ、実際に飲んだ時の印象を大切にすることが、自分好みの一本を見つける鍵となるでしょう。
なぜジャパニーズウイスキーは人気なのか?世界を魅了する繊細さと人気の理由
近年、ジャパニーズウイスキーの人気は世界的な現象となっています。国際的な品評会で数々の最高賞を受賞し、その品質の高さは疑うべくもありません。では、その人気の本質はどこにあるのでしょうか。多くの専門家が口を揃えるのは、その「繊細さとバランスの良さ」です。
スコッチウイスキーが個性の競演だとするならば、ジャパニーズウイスキーは調和の芸術と言えるかもしれません。一つの蒸溜所内で、発酵槽の材質、蒸溜器の形状、そして熟成に使う樽の種類などを多様に使い分ける「造り分け」の技術は、世界でも類を見ません。これにより、非常に複雑で奥行きのある原酒が生み出され、ブレンダーの卓越した技術によって、寸分の狂いもない精緻なバランスのウイスキーが完成するのです。
また、日本固有のミズナラ樽がもたらす、白檀(びゃくだん)や伽羅(きゃら)を思わせるオリエンタルな香りも、ジャパニーズウイスキーを唯一無二の存在にしています。この繊細な味わいこそが、世界のウイスキー愛好家を虜にした最大の理由と言えるでしょう。
そして、この「調和の思想」は、ピーテッドタイプのジャパニーズウイスキーにも貫かれています。ただ力強いだけでなく、スモーキーな香りの奥に、和柑橘のようなフルーティーさや、蜂蜜のような甘やかさが感じられる。煙のベールの向こう側に、日本の四季や自然が育んだ複雑なうま味が幾重にも重なっているのです。これが、ジャパニーズウイスキーのピーテッドタイプが持つ、他にはない魅力ではないでしょうか。
日本で一番人気のウイスキー銘柄は?入手困難な一本から定番まで

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「日本で一番人気のウイスキーは何ですか?」という質問は、非常によく聞かれます。知名度や売上という点で見れば、サントリーの「山崎」や「響」が筆頭に挙げられるでしょう。これらはジャパニーズウイスキーの魅力を象徴するような存在であり、華やかでバランスの取れた味わいは、多くの人々を魅了し続けています。
しかし、その人気ゆえに深刻な原酒不足に陥り、現在では非常に入手困難な銘柄の代表格となってしまいました。特に熟成年数の長いボトルは、定価で目にすることすら稀な状況です。これら定番銘柄の多くは、ノンピートか、ごく軽やかなピート(ライトピート)をアクセントとして使用しているのが特徴です。
一方で、ウイスキーファンの間では、限定的にリリースされるピーテッドタイプの人気が非常に高まっています。例えば、サントリーが時折リリースする「山崎ピーテッドモルト」や「白州ヘビリーピーテッド」といったボトルは、発売されるやいなや即完売し、市場では高値で取引されるのが常です。これは、定番品の繊細なイメージとは一線を画す、力強い個性を求める声が確実に存在することの証左と言えます。
このように、一般的に人気のある銘柄と、ピート好きが求める銘柄は必ずしも一致しません。しかし、入手困難な状況は共通しており、日本のウイスキー市場の熱狂ぶりを物語っているのです。
ウイスキーにおけるピート最強の定義とは?スモーキーさの頂点を探る
「ウイスキーピート最強」という言葉には、ロマンがあります。スモーキーさを愛する者なら誰もが、その頂点に思いを馳せることでしょう。前述のフェノール値(ppm)で言えば、スコットランド・アイラ島のブルックラディ蒸溜所が造る「オクトモア」シリーズが、しばしば「最強」の称号を手にします。その数値は時に250ppmを超え、もはや煙を液体にしたような、圧倒的な存在感を放ちます。
しかし、「最強」の定義は、本当に数値だけで決まるのでしょうか。私は、必ずしもそうではないと考えています。香りの質、味わいの複雑さ、そして余韻の長さ。これらが一体となって生まれる感動の大きさこそが、真の「最強」を定義するのではないでしょうか。
ジャパニーズウイスキーにおける「最強」を探る旅は、まさにこの多角的な視点が求められます。例えば、若狭湾の潮風を受けて熟成される「三郎丸蒸留所」のウイスキーは、アイラ島に匹敵するヘビーなピートと、鋳造製ポットスチル「ZEMON」がもたらす重厚な酒質が特徴です。また、北海道の「厚岸蒸溜所」は、アイラ島のような環境でウイスキー造りを行うことを目指しており、そのスモーキーさは薬品香と甘みが同居する複雑なスタイルです。
これらのウイスキーは、単にppm値が高いだけでなく、日本の風土と造り手の哲学が色濃く反映された、唯一無二の個性を持っています。あなたが求める「最強」は、荒々しい煙の塊か、それとも煙の奥に広がる複雑な宇宙か。その答えを探すことこそ、ピーテッドウイスキーを飲む醍醐味なのです。
ピートが強いウイスキーはどれ?専門家が選ぶ代表的な銘柄
では具体的に、ピートが強いジャパニーズウイスキーにはどのような銘柄があるのでしょうか。次のセクションではランキング形式で詳しくご紹介しますが、ここではまず、その代表格と言える銘柄をいくつか挙げておきましょう。
- ニッカウヰスキー「余市」: 日本のピーテッドウイスキーの原点。石炭直火蒸溜による力強く、香ばしいスモーキーさが特徴。潮の風味とフルーティーな甘みのバランスが絶妙です。
- サントリー「白州ヘビリーピーテッド」(限定品): 森の蒸溜所・白州が造る力強いピート。爽やかなスモーキーさの中に、若葉のような清涼感と柑橘系の酸味が感じられます。
- 厚岸蒸溜所「厚岸シングルモルト」: 新興蒸溜所の旗手。アイラ島を彷彿とさせる薬品系のピート香と、柑橘系の甘み、そしてほんのりとした塩気が特徴。非常に高い評価を受けています。
- 三郎丸蒸留所「三郎丸」: 独自の重工業的な製法から生まれるヘビーピート。スモーキーさの中に金属的なニュアンスと、しっかりとしたモルトの甘みを感じる個性派です。
- 静岡蒸溜所「プロローグK」: 閉鎖された軽井沢蒸溜所の蒸溜器を受け継ぎ、薪直火で蒸溜。力強いピートと、ウッディで香ばしいフレーバーが特徴的です。
これらの銘柄は、それぞれ異なるアプローチで「日本のスモーキーさ」を表現しています。あなたの好奇心を刺激する一本は、この中にきっとあるはずです。
【2025年版】ピートの強いジャパニーズウイスキー決定版!おすすめ銘柄を強い順に紹介
お待たせいたしました。ここからは、家飲み研究員である私が、自信をもっておすすめする「ピートの強いジャパニーズウイスキー」を、より具体的に、そして実践的にご紹介してまいります。数多ある銘柄の中から、その個性、味わい、そしてストーリー性を加味し、独自の視点で選び抜きました。あなたにとっての最高の一本を見つける、その羅針盤となれば幸いです。
- ジャパニーズウイスキーのピートの強さランキングTOP5!最強の一本は?
- 安いのに本格的!ピート香がしっかり楽しめるコスパ最強ウイスキーの選び方
- 【価格帯別】ウイスキーピートが強い、安いおすすめ銘柄をご紹介
- スモーキー好き必見!ジャパニーズウイスキーの銘柄一覧と特徴
- ジャパニーズウイスキーの人気ランキングと入手困難ランキングに見るピーテッドの潮流
- お気に入りの一本を見つける!酒店や通販でのジャパニーズウイスキー購入ガイド
- ピートが強いジャパニーズウイスキーを楽しむための要点
ジャパニーズウイスキーのピートの強さランキングTOP5!最強の一本は?
「最強」の定義は人それぞれ。ここでは、ピートの力強さはもちろん、味わいの複雑さやバランス、そしてジャパニーズウイスキーとしての独自性を総合的に評価し、ランキングを作成しました。
第1位:厚岸蒸溜所 シングルモルトジャパニーズウイスキー
私的ランキングの頂点に輝くのは、厚岸蒸溜所の一本。北海道の東端、アイラ島によく似た環境で造られるこのウイスキーは、まさに日本のクラフトウイスキーの到達点の一つ。潮気を含んだ薬品系のスモーキーさ、柑橘の皮のようなビターな甘み、そしてバニラのようなクリーミーさが完璧な調和を見せます。飲むたびに新しい発見がある、まさに探求しがいのあるウイスキーです。入手は困難ですが、見つけたら迷わず手に入れるべき一本でしょう。
第2位:三郎丸蒸留所 シングルモルト三郎丸
唯一無二の個性を求めるなら、三郎丸をおいて他にありません。1952年からの歴史を持つ北陸の古豪は、2017年のリニューアルで大復活。世界でも珍しい鋳造製のポットスチル「ZEMON」が生み出す酒質は、非常に重厚でオイリー。50ppmというヘビーピートの麦芽を使い、力強いスモーキーさの中に、機械油や金属を思わせる独特の風味と、黒糖のような甘みが共存しています。これは、ハマる人にはとことんハマる、中毒性の高い味わいです。
第3位:ニッカウヰスキー シングルモルト余市
日本のピーテッドウイスキーの父、竹鶴政孝が創設した余市蒸溜所。その名を冠したシングルモルトは、まさに王道の風格です。石炭直火蒸溜ならではの、少し焦げたような香ばしいピート香。そして、力強いスモーキーさの中から顔を出す、リンゴや洋梨のようなフルーティーな甘み。長年飲み続けられてきたからこその安定感と、決して飲み飽きない複雑な味わいは、ジャパニーズ・ピーテッドの基準点と言える存在です。
第4位:静岡蒸溜所 シングルモルト静岡 ポットスティルK
今はなき伝説の蒸溜所「軽井沢」の蒸溜器を蘇らせた、というストーリーだけでも心を揺さぶられます。間接蒸気で熱するポットスティルKで造られる原酒は、日本産のピーテッド麦芽を使用。非常に華やかでフルーティーなアロマと共に、クリアでシャープなピート香が立ち上ります。若さがありながらも、驚くほどスムースな口当たり。日本のウイスキーの新しい可能性を感じさせてくれる一本です。
第5位:本坊酒造 シングルモルト駒ヶ岳
中央アルプスの麓、標高798mという日本で最も高所にある信州マルス蒸溜所で造られる駒ヶ岳。その限定品としてリリースされるピーテッドバージョンは、非常に評価が高いです。森の中の蒸溜所らしい、どこかクリーンで澄んだスモーキーさが特徴。焚火のような穏やかな煙の香りと、熟した果実のような甘みが優しく広がります。力強さの中にも、日本的な静けさを感じさせる、瞑想的な味わいが魅力です。
安いのに本格的!ピート香がしっかり楽しめるコスパ最強ウイスキーの選び方

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「ピーテッドウイスキーは好きだけど、高級品ばかりでは…」その気持ち、痛いほどわかります。ご安心ください。探せば、比較的手頃な価格で、本格的なピート香を楽しめるボトルは存在します。その選び方のコツを伝授しましょう。
まず狙い目なのが、大手メーカーが手掛けるブレンデッドウイスキーです。例えば、ニッカの「セッション」は、キーモルトとして余市と宮城峡のモルトに加え、スコットランドのベン・ネヴィス蒸溜所のピーテッドモルトを使用。華やかな香りとモルトの甘み、そして心地よいピートの余韻が楽しめ、コストパフォーマンスは抜群です。
次に注目したいのが、新興のクラフト蒸溜所がリリースするブレンデッドモルトや、比較的手頃な価格帯のレギュラー商品です。長濱蒸溜所の「AMAHAGAN」シリーズなどは、海外原酒を使いながらも自社蒸溜の原酒を巧みにブレンドし、様々なスタイルのウイスキーを造っています。その中に、しっかりとしたスモーキータイプを見つけることができるでしょう。
また、意外な穴場が、酒販店のプライベートブランド(PB)商品です。信頼できる酒屋さんが、独自のルートで樽を買い付け、ボトリングしたウイスキーの中には、驚くほど高品質で個性的なピーテッドウイスキーが、手頃な価格で眠っていることがあります。行きつけの酒屋さんで「安くてスモーキーなジャパニーズ、何か面白いものない?」と聞いてみるのも一興です。
【価格帯別】ウイスキーピートが強い、安いおすすめ銘柄をご紹介
それでは、より具体的に、予算に合わせて選べるおすすめ銘柄をご紹介します。日々の晩酌の友を探してみてください。
【〜3,000円クラス】
- ニッカウヰスキー ブラックニッカ ディープブレンド: 日常的に楽しむなら、まずこの一本。キーモルトに新樽熟成の余市ヘビーピートモルトを使用しており、リッチな樽の香りとビターなピートの余韻が特徴。ハイボールにすると、そのスモーキーさが際立ちます。
- 明石ウイスキー 江井ヶ嶋 スモーキー: 兵庫県の江井ヶ嶋蒸留所が手掛けるブレンデッド。スコットランド産のピーテッド麦芽を使用し、しっかりとしたスモーキーさと潮の香り、そして軽快な飲み口が魅力です。
【3,000円〜5,000円クラス】
- ニッカウヰスキー セッション: 前述の通り、ジャパニーズとスコティッシュのモルトが奏でる華やかなセッション。フルーティーさとビターなピートのバランスが秀逸で、初心者から愛好家まで幅広く楽しめます。
- 長濱蒸溜所 AMAHAGAN World Malt Edition No.3: ミズナラ樽で後熟させたブレンデッドモルト。長濱蒸溜所らしいモルティな甘みに、ピーティーな原酒とミズナラ樽由来のオリエンタルな香りが重なり、非常に複雑で満足度の高い一本です。
【5,000円〜10,000円クラス】
- ニッカウヰスキー シングルモルト余市(ノンエイジ): やはりこの価格帯では外せません。ジャパニーズ・ピーテッドの真髄を手軽に味わえる、まさに定番中の定番。ストレートやロックで、その力強い個性をじっくりと味わってみてください。
- 新興蒸溜所のニューボーンや限定ボトル: 厚岸や静岡、三郎丸などが不定期にリリースする「ニューボーン(熟成期間の短い若いウイスキー)」は、この価格帯で見つかることがあります。荒々しくも、蒸溜所の個性がダイレクトに感じられる、まさに宝探しのような一本です。
スモーキー好き必見!ジャパニーズウイスキーの銘柄一覧と特徴
ここまで紹介した以外にも、日本には魅力的なスモーキーウイスキーを造る蒸溜所が数多く存在します。ここでは、その一部を一覧でご紹介しましょう。あなたのウイスキーマップを広げる手助けになれば幸いです。
- サントリー(山崎・白州): 定番品はライトピートですが、「ピーテッドモルト」「ヘビリーピーテッド」といった限定品は垂涎の的。見つけたら即確保を。
- 本坊酒造(マルス信州・マルス津貫): 「駒ヶ岳」「津貫」ブランドで、毎年個性的なピーテッドの限定品をリリース。どちらも非常に評価が高いです。
- ベンチャーウイスキー(イチローズモルト): 「秩父ザ・ピーテッド」は、クラフトウイスキーブームの火付け役。パワフルかつ複雑な味わいで、世界中にファンがいます。
- 中国醸造(桜尾蒸留所): 広島の蒸溜所。「桜尾」「戸河内」ブランドで、瀬戸内の潮風を感じる、ユニークなピーテッドウイスキーを造っています。
- 小正醸造(嘉之助蒸溜所): 鹿児島県の焼酎メーカーが手掛ける蒸溜所。メローでありながら、しっかりとしたスモーキーさを感じさせる上品なスタイルが人気です。
これらの蒸溜所の動向を追いかけるだけでも、ジャパニーズウイスキーの「今」が見えてきて、非常に興味深いものです。
ジャパニーズウイスキーの人気ランキングと入手困難ランキングに見るピーテッドの潮流

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一般的なジャパニーズウイスキーの人気ランキングでは、依然として「山崎」「響」「白州」といったサントリーの主力銘柄が上位を占めています。これらはノンピート〜ライトピートが中心であり、多くの人にとっての「美味しいジャパニーズウイスキー」のイメージを形成しています。
しかし、その一方で、「入手困難ランキング」に目を向けると、様相は少し変わってきます。もちろん、山崎や響の長熟品は別格として、そこに割って入ってくるのが、厚岸やイチローズモルトの限定ピーテッドボトルなのです。これは、ウイスキーを深く愛する層、いわゆる「ウイスキーマニア」の間で、ピーテッドタイプの価値が非常に高く評価されていることを示しています。
この現象は、ジャパニーズウイスキー市場の成熟を意味していると私は考えます。かつては「飲みやすい」「繊細」といった評価軸が中心でしたが、今では「個性の強さ」「多様性」も重要な価値基準となっています。スコッチのアイラモルトに負けない、あるいはそれとは違う魅力を持つジャパニーズ・ピーテッドを求める熱心なファンが増えているのです。この潮流は、今後さらに大きくなっていくことでしょう。
お気に入りの一本を見つける!酒店や通販でのジャパニーズウイスキー購入ガイド
さて、これだけ魅力的なボトルを紹介されると、実際に手に入れてみたくなりますよね。しかし、ご存知の通り、人気のジャパニーズウイスキー、特にピーテッドの限定品となると、簡単には購入できません。最後に、少しでも入手確率を上げるための実践的なガイドをお伝えします。
1. 蒸溜所・メーカーの公式サイトをブックマークせよ
限定品の多くは、まず公式サイトで抽選販売や発売情報が告知されます。こまめにチェックし、抽選には根気よく応募し続けることが定価購入への一番の近道です。
2. 信頼できる特約店と繋がれ
メーカーと強い繋がりを持つ「特約店」と呼ばれる酒販店があります。こうしたお店は、限定品が入荷する可能性が高いです。SNSをフォローしたり、実店舗に足を運んで店員さんと顔なじみになったりすることで、貴重な情報を得られるかもしれません。日頃からそのお店で他のウイスキーやお酒を買うことも、良好な関係を築く上で大切です。
3. 大手通販サイトは「定価」を狙え
Amazonや楽天市場などの大手通販サイトでも、ごく稀に定価で販売されることがあります。しかし、そのほとんどは高額なプレミアム価格(プレ値)です。プレ値で購入する場合は、販売者の評価をよく確認し、信頼できるショップから購入することを強くお勧めします。
4. 旅先での出会いを大切に
地方の酒屋さんや、蒸溜所近くの土産物屋さんに、思わぬお宝が眠っていることがあります。旅に出た際は、ぜひ地元の酒屋さんを覗いてみてください。その一期一会も、ウイスキー探しの大きな楽しみの一つです。
ピートの煙は、時に私たちを遠い異国の地に、時に懐かしい記憶へと誘ってくれます。あなただけの一本を見つけ、その香りと共に、豊かで奥深い家飲みの時間をお過ごしください。乾杯!
ピートが強いジャパニーズウイスキーを楽しむための要点
ポイント
- ピートとは、植物が数千年かけて堆積した泥炭である
- ウイスキーの製麦工程でピートを焚き、麦芽を乾燥させることで独特の香りが付く
- 「ピートが強い」とは、燻製香や薬品香、土の香りなどが力強く感じられる状態を指す
- ピートの強さの指標にはフェノール値(ppm)が用いられる
- 日本のウイスキーの父、竹鶴政孝がスコットランドからピート製法を持ち帰った
- ジャパニーズウイスキーは繊細なバランスが世界的な人気の理由である
- ピーテッドタイプにおいても、煙の奥に和のニュアンスが感じられるのが魅力だ
- ニッカの「余市」は日本のピーテッドウイスキーの原点と言える存在である
- 厚岸や三郎丸、静岡など新興蒸溜所が個性的なピーテッドを造り注目されている
- コスパを求めるなら大手メーカーのブレンデッドや酒販店のPB商品が狙い目だ
- 予算3,000円以下でも本格的なスモーキーウイスキーは選択可能である
- 限定品は公式サイトの抽選販売や特約店の情報をこまめに確認することが重要だ
- ウイスキーの「最強」は数値だけでなく、香りの質や複雑さも定義の一つである
- 定番銘柄の限定ピーテッドボトルは、市場に出ると即完売し入手は極めて困難だ
- 旅先の酒屋を巡ると思わぬ一本に出会えることがある